1)興味を抱いているか

不動産投資において投資家が最初に検討すべき項目は、投資家自身が候補市場に興味を抱いているかを自問自答することです。

今後巨額を導入するかもしれない候補市場に対して、投資家の興味が湧かない、もしくはその興味が予定投資期間を超えても継続しないと思う市場の場合には、いつか興味は薄れてしまい、投資物件への注意や集中力は低下し、殆どの場合、投資は失敗に終わってしまうからです。

ですから、まずは市場自体に「ワクワク感」を感じるかがポイントになると思います。

私自身、今までも遠方だったり、アクセスが理不尽な市場へは足を運ぶ回数も減り、最終的にはレポート上で物件運用の判断する様になってしまった事もありました。もちろん、自身がサラリーマンであり会社が決めた投資市場へ参入するということであれば選択の余地はないかもしれませんが、あなたが投資家で決断者であれば、まずはご自分が好む市場を探すべきです。

2)実態調査

候補市場が決まれば、次に実態を調査する必要があります。私の場合にはここでマクロレベル(国)とマイクロレベル(現地地域や州)の調査を始めます。その上で、私はマイクロレベルを最初に調査します。

なぜマクロレベルを最初に見ないかは、不動産は地域特化型投資事業ですので、マクロ情勢は必ずしもその市場に適応されないからです。例えば、マクロレベルでカナダのオフィス空室率は15.8%(2021年第4四半期)でした。それに対しバンクーバー圏の空室率は5.9%で、ダウンタウンの平均は6.5%に対し、郊外は5.3%でした。

国平均から判断するカナダのオフィス不動産は依然として回復の傾向にありませんが、バンクーバーを見れば、明らかに違う状況が浮き彫りになります。また、マイクロレベルの調査をする事によって、現地の経済傾向が理解出来、立地条件からも、ハイテク業界はカナダ国内だけでなくアメリカからも期待を寄せられている市場であることが理解でき、結果多くのハイテク企業が参入してきている(これからも入ってくる)事を知ることが出来ます。

よって、カナダというマクロレベルをまず見て判断してしまうと、不動産投資のチャンスを失ってしまうかもしれません。

3)市場の将来性

マイクロの現状が理解出来て、マクロが理解出来たら、次には候補市場の将来的可能性を見定める事だと思います。最低10年先を見て、投資家として自分なりの予測の仮説を立てる。そしてその候補市場の将来的可能性を展開してみる事だと思います。例えば私の場合には、この会社も当初は家業の一部であった為、候補地がシンガポールとカナダだけに絞られていました。シンガポールとカナダ国内のトロントやバンクーバーを比較して調べましたが、私の場合には取締役候補なども米西海岸に所在していたり、自分の母校が西海岸だった事を考え、ネットワークの観点からカナダ・バンクーバーについてもっと調べる事にしました。その上で、当時はまだハイテク業界も下火でしたが、バンクーバーが米ハイテク企業の研修場に使われていた事、不動産単価が低く質的にも低かったことなどを今でも覚えています。そして貿易港として成長を続けていた事でも、立地的条件でバンクーバーの将来的成長を予測しました。

4)投資セグメント

市場まで狭める事が出来れば、あとはどのセグメントに投資をするかです。

しかし、マイクロレベルでの市場の状況と展望が良いからと言って、全ての不動産セグメントが投資候補になるかはまた別問題です。よって、私の場合には、バンクーバーを調査していましたが、インダストリアルと同時にオフィスが良かったかといえば、それは違いました。オフィスは一般的に高額で参入ポイントも我々の予算を上回っていました。そして、オフィスには現時点での必要性を感じましたが、将来的需要(街自体がハイテク企業やクリエーティブ業界が増えていくと思い)をベースとする成長は我々のレベルでは汲み取れないと判断しました。もちろん、当時我々にも機関投資家のように潤沢な資産があれば、老朽化したオフィスビルが散財するバンクーバー市場に参入していたと思います。結果、上記条件やトレンドから小規模インダストリアルに焦点を置きました。

投資家として理解しておく必要があるのは、市場の展望が良くても投資家自身の条件や状況から参入出来ずに、市場選定を最初からやり直す可能性も存在する事です。

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