2022年は弊社にとってフェーズ2の始まりであり、今後10年間の飛躍を意味する一年でした。そう言った意味でも、日本とアメリカ支社の設立は「結果を伴う行動」を示し大きな意味を持ちました。しかし、一年目という事もあり、準備や事務的面で多大な時間を吸収されたのも事実です。日本での会社設立は個人的にも20数年ぶりになり、色々な思い出が戻って来ました。また一年間の営業を通して、日本人投資家の考え方や好みを学ぶことができ勉強になった一年だったと思います。アメリカ支社については物件内覧や購入の上でも現地にオフィスが存在するのは、仲介や業者関係を構築していく上でも、彼らに安心と信頼を提供する事ができ、弊社の活動認知度上昇には必須だったと思っています。

また、今年はワシントン州シアトルとアリゾナ州フェニックス市場を探索して来ましたが、当初カナダ社設立時には市場を学ぶにも弊社の可能性を見出すにも、2年半の月日が必要でしたが、今回は一年以下で既に戦略や可能性、及び購入候補物件まで見つけられた面では、大きな進歩だったと思います。北米では特に第三・四四半期においてマクロ経済の影響により(金利上昇及び経済の低迷)物件の「妥当な」取引価格に大きな差が生じています。よって、2022年後半期は締結可能な取引も決裂に終わるケースも多かった為、弊社ではこの煙が収まる2023年第一四半期にオファーを出して物件購入に取り掛かろうと思っています。

1)2022年のKM Pacific

話を戻しまして、今後の10年間の方向性を見極める上でも、弊社のブランディング確認はとても重要でした。今後は今までの独創性を明確な企業ミッションとし、「Thinking Outside the Box(固定観念を超越した視点とアイディアでバウンダリーレスな価値をクリエイトする)」企業として活動して参ります。北米市場の固定観念を超越する事で、独創性を醸し出し、邦人企業の長期戦略を視点とする事業成功を確立させ、各市場に限られない価値(日本の皆様への北米不動産を用いた資産構築や投資先地域には不動産をサービス化してソフト事業として社会の向上)を提供していくことを再確認しました。不動産をサービス化するという事は、ハードのアセット投資は継続するも、そこには付加価値として色々な付随業務を提供する事が可能になります。例えば、SOHOやレストラン(テストキッチン)、ベンチャー誘致(及び投資)、市場参入目的や経営上のコンサルなど数点挙げるだけでも、多方面で可能な事業が出てくると思います。もちろんこれらをメイン事業として活動している企業も多く存在します。しかし、多くには賃貸人が存在し、賃貸借契約の義務で大きく経営が左右される事も少なくありません。対企業営業でも賃貸人という立場ほど先方企業の情報を合法的に保持出来る立場にいる企業はいません。これらは不動産所有者であるからこそ、またThinking Outside the Boxであるからこそ、現地企業を含めてもニッチなサービスを提供出来ると思っています。また、バンクーバーは留学生やワーキングホリデーの日本人若人も多くいます。彼ら彼女らを応援する意味でも、不動産業者であるからこそ、提供出来るサービスも多々存在すると思っており、現在計画中です。

弊社の異国市場に於いての位置付けは、現在と将来を結ぶ旗振り案内人(船頭)です。私も個人的に日本を出て30数年の月日が既に経っています。その間も過去に渡米(渡加)された日本人の方々のお陰で、海外に於ける生活が安心して過ごす事ができました。我々は一世紀以上前に外に出ている人間達として、その感謝の気持ちを忘れず、今後自分達の可能性を試そうと海外へ進出する若人の支援をするのは義務であり責任だと思っています。その為にも、弊社の活動は失敗する事が許されないと思っています。計算されたリスクを取り続け、各プロジェクトを成功に導く。それがこの人種の坩堝である北米という世界で今後の皆様の為の旗振り役を賜るという事だと考えています。

この様に、各プロジェクトの成功により、不動産業界を基盤とし、再度日本人投資家・企業の素晴らしさを投資先市場に示し、今後のさらなる日本企業の進出に一役買える事は我々にとってもこれ以上ない社会貢献事業だと思っています。弊社の社訓は「感謝」と「共存」です。皆様のおかげで今の我々が存在し、独りでは生きられないから協力し合う。そしてWin-Win(相互的勝利)を勝ち取る。この考えをベースにフェーズツーとして弊社は今後十年間を邁進して行きます。

2)2022年の不動産市場状況

さて、ムードを変えて、2022年の市場状況を見直したいと思います。

不動産市場の一年はコロナ禍の環境をひきずるかの様にローラーコースター状況でした。まずは、ゼロ金利政策が一転して、借入れ金利レベルが6%+まで上昇しました。更に、インダストリアルではコロナ禍による配送業界の空前な成長により、空室率(バンクーバーは0.2%; シアトルは3.9%)も歴史的な低さを更新し、年率賃料上昇率を以前の3から4%を7から9%まで引き上げました。よって、不動産を所有しているだけで、ROIも二桁をマークする異常な状況が現在も続いています。そして、この空室率が不動産需要を引き上げ、売買価格も右肩上がり状態を継続しています。特にバンクーバーでは供給が追い付けていない事や開発土地不足により、歴史上初めての複数階物流倉庫が建設されています。これは米シアトルでプロロジス社が複数階物流倉庫を建設した後ですので、カナダの将来図の一環として大きな注目を集めています。

同時にカナダの賃貸も記録を邁進し続けており、前代未聞の$20psfを超越し、今後さらに高騰していく模様です。しかし、購入価格については、今までがすでに高かった事もあり、平行線を辿っています。ただ、国境の南側の米市場では価格の高騰が目立っており、ラスベガス市場などの価格は海岸線市場を上回るレベルに達しています。

しかし、2022年下半期は更なる金利の高騰により、経済の減速や低迷が発生し、コロナ禍以降の経済回復論が未熟に終わっている状況です。今まで「怖いもの知らず」とされていた住宅売買も大きな調整を余儀なくされ、融資ベースで購入していた投資家は融資支払い不履行になり、物件差し押さえも出ています。

少し先を見ると、これらも2023年下半期には落ち着きが見え、再度投資環境到来になると予測しています。しかし、弊社は各現地市場情報を見極め、23年Q1には購入に入ります。

読者の皆様、弊社に関わって下さった皆様、2022年も本当にお世話になりました。2023年は今まで以上に邁進し飛躍する年にして参りますので、宜しくお付き合い申し上げます。

良い新年をお迎え下さいませ。

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