先週は日本の不動産市場としての魅力についてお話ししました。今週は日本市場が局面しているリスクについてお話ししたいと思います。ここではマクロ、ミクロリスクをまとめて話したいと思います:1)地理、2)人口の減少・移民政策、3)金融的理不尽。

1)地理

日本の場合には環境(物理的、自然的)と立地状況が日本のリスクになっていると思います。物理的というのは、島国である事で、資源、人間、物資の流通に支障が起こり得るという事 です。市場が続いていないという事で、日本の市場への参入バリアーが存在し、市場的魅力を低下する結果になっていると思います。近代歴史を見ても、バブル以前の日本市場には、司法や行政上の隔たりも存在したものの、海外からの資産の流入は殆どありませんでした。現在は経済的状況とそれだけの消費市場であることから、知名度も上がり参入も多いですが、これらが低下すれば、資産の流入が継続するかには疑問が残ります。自然的というのは、地震大国であるという事です。西洋にも地震は起こりますし、地震保険も存在します。しかし、投資を考慮した場合には、多額な経費となり、その市場の優先的順位が下がる要因になると思います。また、これら自然災害には多大な費用予算が必須になり、最低投資リターンも上昇してしまいます。

立地条件としては、北朝鮮など武力行使を遂行する可能性がある諸国の影響範囲内に所在すると言う事です。島国という現状と西洋諸国からは遠方にあるという事で、西洋ではメディアで取り上げられる事も殆どありませんが、この国家的危機は常に現実的にあり、いつ経済の市場性に影響をもたらすかわかりません。

2)人口の減少・移民政策

人口の減少により、経済的生産性と消費の低下で、信用格付けの低下が起きる可能性があります。現状では、日本は経済大国という位置づけですが、この先人口の減少と限られた移民政策で、生産および消費の低下から日本が負債国になる可能性もあり得ると思います。そうすると、信用格付けが低下することで、諸外国からの融資を得ることが不可能になる可能性も存在すると思います。

カナダでも他の西洋先進国同様、平均人口年齢の上昇と人口の降下がこの先始まりまると予測されています。しかし、各地域の魅力と生活水準を高める事で、BC州では毎年1.25%~1.5%(国全体では3%近く)の移民を確保しています。またこれら新移民は若年の家族持ち専門職員(医者、研究者、IT関係者)が多いのが現状です。よって、人口増加の上に、国内生産向上の原動力になる人口層が増えています。もちろん、彼らのバックグランドは、西洋諸国、アジア、中近東など、全世界を対象としています。

3)金融的理不尽

私が考える中での最大の問題は、金融的不合理です。アメリカの1031 Exchangeの様な、物件売却後に同額以上の物件を購入する事でキャピタルゲイン税の支払い延期や、税の低率化、資産相続税や贈与税の軽減がない状況で、資産の流動を差し押さえ、日本市場の魅力と金融市場としての役割は損なわれていると思います。もちろん、人口の低下が続く日本では、税金の収入源を確保する為に、金融政策や個人資産の流出を規制し続けています。守備的収入の確保で今後の国税を賄っていこうと考えています。しかし、カナダでは逆に資産の流動性を自由にし、唯一西洋諸国内で資産相続税や贈与税が存在しない国として、世界中の資産家から注目を浴びています。結果、世界中から資産が流れ込んできています。このメリットと簡易的移民システムの影響で、カナダへの資産の流入は前代未聞というレベルで上昇しています。これにより起業件数は増え、存続企業の業績向上にも繋がり、不動産需要も大幅に増えています。BC州(特にバンクーバー)は、今年で9年越しのバブルです。そしてこのバブルは今後も当分は継続する様子です。

また、キャピタルゲイン税も利益分の50%にしかかからない為、結果的には13%という低税率になっています。もちろん、日本の場合には、これからの人口減少による払い口の減少を防ぐ為に、現在も継続的に税的ループホールをつぶしていくことでしょう。しかし私に言わせれば、それは投資家にとっては魅力をなくし、国家の繁栄にも逆効果だと思います。余談になりますが、この様なカナダ(特にBC州)の税制度が、弊社がバンクーバーで独立した理由の一つでもあります。

今後、個人の資産運用や次世代への資産継承とリスク考えたとき、日本を拠点とした考えは、私個人的には多大なリスクが存在すると思います。営業的な話にはしたくありませんが、カナダはあらゆる面でのメリットがある国だと思います。私の様に日本人でありながら、この親日的国で日本国籍を捨てずに生活を営み、日本を行き来するのも、一つの考え方かもしれませんね。

ちょっとしたアイディアで今週のブログを締めたいと思います。

皆さんにも良い資産継承法が見つかります様に。私共もこの辺は随時研究しております。ご不明な点はお気軽にご連絡ください。

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