Frances Streetプロジェクトも着々と進行しており、現在2段階の建築申請の第一段階まで進んでいます。そして1月14日に、Development Permit(開発申請)を行う予定です。以前にもプロセスの概要はお話ししましたが、BC州の建築申請は2段階の申請プロセスからなっており、1段階目が外観を主にしたDevelopment Permit(開発申請)、2段階目が内装や設備についてのBuilding Permit(建物申請)から構成されています。全体で建築許可が降りるまでに購入から18ヶ月ほどの時間がかかり、第一段階目は通常12ヶ月程かかる予定です。この期間中にPrior-To Letterという一時許可書が発行され、そこで既存建造物の解体と掘削が可能になります。開発許可が発行され次第、建物申請が可能になり、これには約6ヶ月の時間が掛かります。結果、着工は2020年の春頃を考えています。

1)コンセプト

今回のプロジェクトのコンセプトは「Must Have(なきゃダメ!)」です。今回の再開発はインダストリアル物件をフレックス・オフィスビル(ロフトタイプ・オフィスビル)に再開発しますが、我々は入居者や施設利用者にとって、「なくてはならない場所」、「行きたい場所」。。。クールでヒップなトレンドを先どる場所。。。という環境を作り上げたいと考えています。その為にも、今までのバンクーバーにはないデザインと斬新な使い勝手を持ち入り、トレンドの最先端を行くデザイナーやIT関連企業に入居してもらう事を始め、アップ・アンド・カミング(今後成長する見込み)なレストランや地ビール酒造所に対して、一階店舗部への入居斡旋を行なっていく予定です。

また、上階企業でもデザイナーなどに、デザインから製造、販売を一括して行える環境を提案し、ビル内の人の交通量を増やし、地域との統合(Integration)を図り、フレックス・オフィスビルならではの強みを最大限前に出す事を考えています。これにより、弊社の第二プロジェクトは、ただのオフィスビル・プロジェクトに終わらず、地域を取り込んだ地域興しを行い、ビル内の相乗効果(車を地下に停め、買い物をし、一階のレストランで食事・休憩をする)を兼ねた目的型オフィスビルにする事を考えています。

その為にも、今回の設備面では、ユーザー全員への配慮を心がけています。例えば、子供や、ストローラーに乗っている赤ちゃんへの空調の当たり方や、ストローラーを押すお母さんのドアの開閉安易度など、徹底的にユーザーレベルでの視点を強調した物件にしていきたいと考えています。この様な配慮が、市場の中でも差別化と好感度を得る事になり、更に「Must Have」物件や「Destination」物件になる事が可能だと思っています。

2)構造

また、第2プロジェクトの基礎工事はコンクリートになりますが、構造躯体はCross Laminated Timber(CLT)を使用します。CLTとはベニヤ材の様に木材を複数層に接着したものです。結果、コンクリート同様の強度を得る事が可能になると同時に、防炎性についてもコンクリート同様の強度を獲得する事ができます。耐久性についても、永久的な寿命は不可能ですが、コンクリートのクラックが原因で発生する鉄筋の腐食や下階への液体漏れなどは、心配が不要になると考えています。その上、木材という事で、ビジュアル的にも優しい環境を提供する事が可能になり、室内温度的にも温かみを提供する事が可能になり、入居企業の社会的イメージとしても社会的意識重視感をアップする事が可能になると思っています。また、防音対策は防音材を敷く事で、コンクリート同様の防音効果を用いる事が出来ます。

3)デザイン

ビル全体のデザインとしては、中二階部からガラス張りの吹き抜けを取り付ける事で、自然光を十二分に取り入れる事が可能になる設計になっています。そして、中庭には緑園を設置し、暖炉も設置する予定です。この場合にも、中庭が「屋外」とみなされる為、消防法に配慮する必要も無くなります。そして、この中庭が入居企業の社員の社交の場として活躍する事で、各企業間におけるコラボレーションを促せると考えています。特に誘致対象にしているハイテク企業には、このコラボ環境はシェア・オフィス的イメージ(Small within Big)を提供する事ができると思っています。

また、バルコニーを北側壁面沿いに内部に向けて設置し、建物の「内の外」を作ることにしました。これにより、中庭に面したバルコニーが想像力を作り出すオアシスになると同時に、多忙な時に外へリフレッシュに行けなくても、「外」に出る事が可能になり、外壁で外部からの安全性は保たれた「安心できる場所」を提供できると考えています。さらに、夏に起こりうる、ヒートアイランド現象は、開閉式窓と入口部のオープニングにより、空気流動が常に行われるシステムを取り入れます。

今回のプロジェクトは、弊社の創造性とユーザー視点に集中し、ユーザーの気付いていない需要を先取って提供する、日本風おもてなしを取り入れる事で、日本の素晴らしさ、そして日本人の完成度の高さを見せていこうと思っています。そこから、「Must Have」コンセプトを繰り広げていきたいと考えています。

2019年の仕事始めのこの週も皆様にとって、本年の仕事への意欲を高めるものになります様に。

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