前回はBC州とバンクーバーの現状についてお話ししました。そこで、もうちょっと突っ込んで、枡田が見る将来のバンクーバー市の姿と立ち位置についてお話ししたいと思います。

前回もお話しした様に、バンクーバーの地理的立地条件は素晴らしいものです。最近こちらの日本語テレビ番組(「世界入りにくい居酒屋」)でもバンクーバーについて報道していましたが、バンクーバーは、ここ20年以上の間、雑誌エコノミストの親会社(Economic Intelligence Unit)が発行している、”The World’s Most Livable City”という統計で継続的にトップを占めて来ました。今でこそトップの座は高生活コストという事で失いましたが、2017年統計では世界第3位、Mercer’s “Quality of Living Index”では、世界5位で北米第1位です。

では、バンクーバーの何が良いのか?という事になると思います。一般的な理解では、次の通りです。1)生活環境(自然、安全、住み易さ、利便性)、2)教育、3)雇用環境、4)税金、5)コスモポリタンなどが挙げられます。また同時に、マイナス面としては、1)生活コスト、2)インフラ設備(渋滞)、3)コスモポリタン、4)雇用環境が上がると思います。

プラス面:

プラス面から説明すると、1)生活環境は真っ先に上がる条件です。カナダは拳銃の所持が禁止されている為安全で、自然に囲まれた環境や(数豊富な公園・海岸や近場のスキーゲレンデ)、低密集した住宅環境が提供されています。空港からダウンタウンへは20分、ビクトリアなどへ行くフェリー乗り場へも30〜40分でアクセス可能です。2)教育面でも海外からの母子留学やボーディングスクール、語学留学は盛んです。地元University of British Columbia大学は世界で40位以内にランキングしており、週刊ダイヤモンド誌の世界のボーディングスクールでも取り上げられたSt. Michaels University Schoolはビクトリアに所在します。その他にも地元ビジネス界が大きなスポンサーをしているSimon Fraser Universityやプライベートスクールも多く所在します。3)雇用については、起業し易い環境が整っている事もあり、過半数の企業が社員5人以下な上、ITや専門職では人材確保の為に世界的な斡旋が行われています。4)税金面でもビジネスには友好的で、営業利益税率は10.5%です。また、営業利益税は譲渡所得税との合算が出来る為、譲渡所得税も大幅な軽減が可能になります。5)コスモポリタンという面では、バンクーバーはまだ発展途上だと思いますが、ある調査では2034年までには地域人口の54%が非白人になると言われています。よって、アメリカの様に白人主義が固執される様な環境ではありません。また、親日感情はとても高く、日本生活経験者も多く、日本文化は人気があります。

マイナス面:

同時にバンクーバーにも弱点はあります。1)World’s Most Livable Cityランキングから外れた要因でもある生活コストがまず第一に挙げられます。現在では、バンクーバー市内での自宅の所有は価格的に不可能になっており、近隣地区への人口流出が起きています。その場合、日本とは違って、市内への通勤というコンセプトは薄れ地元で新たな雇用・生活拠点を選ぶ傾向が主流です。2)近年の人口流入によるインフラ整理が追いついていないのも事実です。連邦政府は広域バンクーバーへ今後10年間のインフラ整備予算として、2,000億円の導入を可決しました。3)コスモポリタンという面では、両長短所が存在します。短所としては、現在中国からの人口と資産の流入が激しく、人口の20%強が中国系になるだろうと予測されています。その上、グローバル化に反比例する様に、バンクーバー出身の住民のマインドセットが未だ無知で、世界的競争に取り残される可能性があります。4)マイナスな雇用環境とは、給料の上昇がほとんど存在していません。その上に、住宅関連コストは急上昇するばかりで、給料が追いついていません。正確な数字は持ち合わせていませんが、専門職以外で$100,000(約850万円)の給料取得は、非常にハードルが高いです。

次回は枡田の個人的将来の展望について、お話しさせて頂きます。

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