前回のブログでは、建築融資や投資家集めについてお話しをしましたので、今週はデベロッパーとしての再開発・改築についてお話ししたいと思います。行政の建築許可書発行までのプロセスは再開発を行う上でも、とても重要な部分ですが、デベロッパーとしての本業は建築自体にありますので、行政マターは建築家に任せておけば良いと言う考えが強いのも正直なところです。では、デベロッパーとしての本業はどこに所在するかと言うところからお話しして行きたいと思います。

デベロッパーとしての本業

やはり、それは、建築申請に入る前のプロジェクト・コンセプトから始まると思います。デベロッパーとしての意向を伝え、プロジェクトの目的を伝える事で、最終的物件の姿や構造などが変わってきます。意向を伝える上でも最も重要な点は、物件の25年後のあるべき姿、どの様なテナントおよびユーザーを念頭に置いていて、どの様な価格帯をターゲットにしたいかを伝える事です。弊社の様に典型的な物件を建設しないで市場の先を進もうとするデベロッパーにとっては、それだけ差別化出来る物件デザインは貴重な資産になります。そして、最初のドラフト・コンセプトが出てきた時点で、デベロッパーとしてデザインに対して出来るだけ具体的なコメントをする事です。この時点では、絵図もなく、ただのコンセプト図になりますので、創造性を膨らませて、可能性について話す事はとても大事になります。

信頼出来る業者と仕事をする

ここからが各デベロッパーにおいても差が出る所ですが、弊社では建築家と上記の目的や建築物件の市場内での役割などを、プロジェクト予算やコストと共に、全体的な絵図としてシェアして全員で考えを共有する様にしています。これにより各業者も建築物件レベルと強調される点が理解でき、予算のスマートな使い方が可能になります。もちろんこの考えは毎回同じ信頼出来る業者と仕事をする事で達成出来る様になります。よって、コスト重視のみのコンペで選択した業者からは得られない関係です。弊社としては、ここでも長期信頼と長期チームプレーによる戦略が、結果的には資産の節約とスマートな使い方となり、一段上のプロジェクトを完成させる事が可能になると考えています。コスト面でももちろん、建築家としては詳細な価格は弾き出せませんが、経験豊富な建築家であれば、幾らの予算に対して何が可能で、何が不可能かの大凡の判断が出来るはずです。その上で、レンダリング(完成予想図)の作成に入るので、出てきた時点でコンセプトに見合ったものかを判断し、GoかNo Goを出す事になります。

驚くことかもしれませんが、上記でお伝えしたプロジェクトの目的などを明確にしていないデベロッパーが予想以上に多いのも事実です。大半が利益の最大化を求める事に集中しており、プロジェクトがコモディティーかしており、レッド・オーシャン状態です。弊社としてはこの状況を打破する為にも、我々独特の戦略を選択しています。その上、弊社としては全ての業者とのミーティングなどにも出席し、考えや意見を共有していますが、殆どのデベロッパーはこの様なミーティングにも参加せず、建築家に丸投げが多いそうです。一つの理由としては、北米では仕事が分担されすぎており、デベロッパー自身のトータル・マネージに対しての認識が薄い事にあるかも知れません。

一旦建築が始まった後では、デベロッパーが施工管理を自ら行っていない限り、常時のハンズオンな関わりがないのが普通です。弊社の場合にも施行管理者(CM)をつけていますが、実際の施行段階では全てが図のままに行かないのが現実です。その際にCMが判断をして建築を遂行しますが、弊社では現場に頻繁に入り込む事でCMとの連携を密にして、各ステップでの判断を随時その場でCMと一緒に行っています。これにより憶測や無駄がなくなり、またその場での即対応が可能になり、我々の意向に沿った施行が可能になると思っています。そして、現場での判断は概ね予算の節約にも繋がると実感しています。ただ弊社はあくまでのデベロッパーですので、具体的施工プロセスについては素人ですので、自分たちの立ち位置を弁えて対応する事は施行の遅延化を防ぐ上でも、大事な要素であると実感しています。よって、我々は2〜3日おきの頻度で現場入りしますが、各滞在時間も短いのもCMからの問い合わせがない限り、30分ほどに限って帰る事にしています。

最後に

デベロッパーとしてもう一つ大切な事は、請求書の即支払いだと考えています。小さく信頼おけるグループで仕事をしているからこそ、即払いは弊社の感謝の気持ちと彼らに対しての信頼を表すと思っています。CMから下請けへの支払いについては施工管理の判断に任せる事ですが、いつでも安心して支払える、常時お金があるというのは、CMにとっても一つストレスが減る事になりますし、下請けとしても仕事をすれば滞りなく支払って貰えると言う安心感を持てるのは、プロジェクト全体の成功にも繋がると我々は考えています。

今回は弊社の本業であるデベロッパーについてお話しさせて頂きました。皆さんの投資案件でも施工管理や現場の人間たちと信頼おける関係が存在し、プロジェクトが成功している事を祈っています。

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