先週のブログでは代表的なバンクーバー在住人口の人間性についてお話しました。100人いれば100通りの考えがあるのと同じで、先週お話しした人間性が全てだとは決して私も思っていません。また、このミニシリーズでは、一般的な観光や書物では分からないバンクーバーの一面をお話しする事で、この街、地域の魅力や成功の源についてご理解頂ければ、この街の将来性についても読者自身で理解が出来るのではないかと考えています。

今週のブログでは、この様なバンクーバー人の典型的生活習慣についてお話ししたいと思います。

1)ワーク・ライフ・バランス

バンクーバー人は基本的に朝方で、健康志向です。そしてとても社交的です。

朝方の生活スタイルについては、企業でも役職が上に行けば行くほど、朝は早くなります。私も朝は泳いでからオフィスに入っていますが、フィットネスが開く5:45にドアの前で待っている人たちも数人いるほどです。そして中間管理職以上であれば、朝7時までにはオフィスに入っている人も多くいます。この朝の静かなひと時が、集中して自分の仕事をこなせる唯一の時間としている人たちも多いはずです。また、バンクーバーは本社都市ではない為、東海岸などの各本社とのやりとりを行う上でも、出社時間が早くなるのかもしれません。一般社員でも朝8時までには出社している人が多く、朝のバス停などを見ても7時過ぎには長蛇の列でバスを待っている光景を目にします。逆に朝早く出ないと通勤ラッシュで渋滞に巻き込まれる恐れがある為、それを回避する為に出勤が早くなっているのも理由の一つです。

また、朝が早いのはワーク・ライフ・バランスを重要視している結果だと思います。朝早く仕事を始めて、夕食は家族みんなで揃って食べる習慣が根強く存在しています。その為、仕事後の飲み会というのも、頻繁にはありません。飲み会の場合でも、「ハッピーアワー」を使って早めに始まり、早めに切り上げると言う傾向にあります。勿論若人や独身者たちはこの部類には当てはまりませんが。残念ながら数値は把握していませんが、家族持ちの中では共働き環境が多く、ワーク・ライフ・バランスという面では家事や育児のシェアリングが行われています。よくあるのが、学校への登校はお父さんの役目で、お迎えはお母さんの役目というのはよく聞く話です。同時に冬以外では、17時に仕事を終えたとしても、バンクーバーの夏の日の入りは大体21時半過ぎになるので、十分楽しむ時間があります。

2)健康志向

また、バンクーバー人は健康維持を重要視する人も多く、健康的な生活を送っている人が多く感じられます。その一環が上でお話しした早朝のフィットネスですが、とにかく走ったりして健康を維持する人口の割合は高いと思います。弊社の銀行担当者もお昼時間を使って仲間とスタンレーパーク(13kmほど)を一周している人も多いです。これは東京で言えば、皇居の周りを走るランニンングクラブ同等の事だと思います。それに、会社から走ったり、ジョギングして帰る人も多く見ます。自転車利用人口が多いのも、バンクーバーをはじめとするこの地域特有なライフスタイルかもしれません。ダイハードなフィットネス人口も多く、天候に関係なく走ったり、自転車通勤する人たちも多くいます。現在の建築基準法には、高層ビルや新規開発物件ではテナント用のシャワー及び更衣室を設置する事が義務付けられているぐらいです。また、バンクーバーでは全公衆の場は禁煙になっています。レストランや、ビル内は元より、バーやクラブでも喫煙は禁止されています。

食生活面においてもバンクーバー人は概ね健康志向だと思います。お菓子が好きだったりもしますが、食生活もバランスよく食べている人たちだと思います。男女ともに野菜を取る量は多く、ベジーバーガーなどの肉代用品を使った料理も人気です。その反面、「プーチン」と言うケベック州発祥のフライドポテトにローストビーフ用のソース(グレビ)をかけてその上にチーズをのせて食べる食べ物も人気です。このプーチンでお昼をすましたりする若者(特に学生や若い女性)も目立ちます。美味しいですが、カロリーやアンバランスな食事を考えると、個人的には一口で十分です。(笑)

3)フレンドリーさ(社交性)

また、カナダ人がフレンドリーなのは世界的に有名な事かもしれませんが、ここバンクーバーをはじめとする西海岸の人口が社交的なのは北米でも有名な人間性です。私がカナダに来た37年前は、道ですれ違う殆どの人達が挨拶をするフレンドリーさで、何か困っていそうであればすぐ声をかけて助けてくれました。今でもこのフレンドリーさは(社交性)続いており、道行く人同士の会釈や挨拶、朝食会やレストランなどでは全くの知らない人たちとでもすぐに会話が始まる感じです。エレベーターに乗り合わせた他人でも5秒間の間に他愛無い会話が繰り広げられ、笑に包まれる楽しいひと時になることはよくある一コマです。これは私自身の性格かもしれませんが、良くここまで知らない人達と会話が広がるものだと感心してしまいます。特に業界の朝食会やコンベンションなどでは、仕事の共通点は存在するものの、初対面の人々と意味ある会話を数分以上交わせるのはスキルだと思ってしまいます。(笑)でも基本的には人間が優しく、人をもてなす性質なのだと思います。ですから相手に抵抗がなく、自然にアプローチが出来るのかもしれません。

弊社の取締役(バンクーバー出身)から聞いた話なのですが、この社交性については、子供たちの育児の一環として取り入れられているそうです。どの様にして全く知らない人たちと会話を繰り広げるかを幼少期から教えられ、親の背中を見て育つ事で、この社交性は自然と入ってくるのかもしれません。

今週はバンクーバー在住人の生活スタイルとしてお話しました。バンクーバー出身の若人は、仕事で一度はこの地域から移動しても、数年して戻る傾向が多いのもこの地域の特性なのかもしれません。